私の孫達の愛犬「いち」です。コロナが下火になり2年ぶりに次男夫妻が川崎から里帰りしてきました。そのとき孫兄弟は学校に行事があるなどして帰省できませんでしたので名代として「いち」が新幹線に乗って”帰省”して来ました。因みに彼は零歳十ヶ月でしたから私とは初対面です。すぐ懐いて、私の部屋を探検し、何かのヒモを咥えて来て、私のデスクの傍で「どや顔」をしているのがこのワン・ショットです。左の後ろ足の辺りに彼のコレクション?が見えてます。彼は寡黙で、家族の誰かが帰宅したとき以外吠えることはまずないそうです。私とは、かくれんぼうをして見つかったとき一度「ワン」と言ってくれました。「お手」も「お座り」もちゃんと出来ます。次の帰省が楽しみです。
私の長く使ってきた携帯電話の写真です。先日、電池故障のためやむなく退役となりました。長いあいだ世話になった画面を忘れないために写真に撮りまし。
見ての通り、この機械は第三世代(3G)のフィーチャー・フォン(feature phone)、いわゆるガラケーです(Sharp SH-02A)。この機種はその気になればお財布ケイタイとしても使えましたし、テレビを見ることも出来ましたから、なかなかの優れものだったのですが。
当然のことながら代わりの携帯用電話が必要になり、スマホ (iPhone mini)を買うことになりました。スマホ (smart phone) が手元に来て、それが日常使っているパソコン同様に無限の可能性があるらしいことが察せられたので少し嬉しくなりました。しかし、今のところ私にとっのてスマホは、字が大きく設定出来ることが一番ありがたいことで、反面、私の買った「ミニ」ですらデカい、重い、そして電池の減りが早いことなどがさしあたっての、そしてこれからも続くしんどいことのようで、それは少し気の重いことです。
ところでスマホ先輩諸賢に伺いたい。電車に座ると大半の人がスマホを弄っていますが、あれ一体何をしているのですか? 私のスマホは買って三日目で契約したデータ通信量一ヶ月分を越えそうになり、今のところWiFiのない環境ではだたのケータイ電話 (mobile phone) としてしか使えません。電車の中ではそれすら無理です。
写真は造幣局オンラインショップに申し込んで購入した東京2020オリンピックの記念千円銀貨です。正式名称は「東京2020オリンピック競技大会記念千円銀貨幣(リオ2016-東京2020オリンピック競技大会開催引継記念)」と言います。「引継記念」としていることに大きな意味を持たせています。直径4センチ、31.1グラム(=1トロイオンス)の純銀製で、平成28年に一般向けとして4,5000セット、単価9,500円で売り出されました。表面を鏡のように磨いたいわゆるプルーフ貨幣の表面を十色を使って彩色した華麗なカラー・コインです。地球儀の太平洋を背景に、中央のオリンピック旗を挟んで左右に日本とブラジルそれぞれの国花、櫻(山桜)とイペー・アマレーロがデザインされています。
新型コロナ・パンデミックの中、この銀貨に彫られた2020年ではなく2021年に開催されている東京オリンピックが、参加選手はもちろんわたしたち一般人にもなにがしかの幸せを運んできてくれますようにと思いながらテレビ応援をしています。
Nikon D3200 Nikkor 18-55mm(48mm) & Kenko close-up lens No.3 F:5.3 1/60sec ISO=800
これはオリンピック銀貨とペアで同時に買うことが出来た東京2020パラリンピックの記念銀貨です。スペックは彩色が九色(黒がない)ことを除けばオリンピック銀貨と全く同じです。デザインは櫻もイペー・アマレーロもオリンピック銀貨より大きく描かれ、また日本列島もはっきり見えて全体にすっきりしています。
旗に描かれているパラリンピックのシンボルマークは、three agitos(スリー・アギトス)というテーマを象徴したものです。「アギトスとはラテン語で『私は動く』という意味で、困難なことがあっても諦めずに限界に挑戦するというパラリンピアンを表現している」とされています(日本パラリンピック委員会の公式記述を引用)。シンボルマークの曲線、赤は人間の心(spirit)、青は肉体(body)、緑は魂(mind)を意味するとされています。
赤、青、緑はまた各国の国旗に最も多く使われている色でもあり、五大陸を輪にして繋いだオリンピックの五輪マーク同様、このマークにも世界の全ての国と地域という意味が込められています。写真のパラリンピック記念銀貨では、貨幣中段左から右下にかけてパラリンピックのロゴ・パターンに相似する平仮名の「つ」型の曲線を大きく描き、左側を赤、その下の太平洋に白い影(芸が細かい!)、右側に黄、緑と青を配色しています。赤と白は日本の、黄、緑、青はブラジルの国旗に使われている色です。この「つ」が両国を繋いでいるのです
このようなパラリンピック銀貨のデザインとそのと配色を理解した上で改めて冒頭のオリンピック銀貨を見直してみると、オリンピック銀貨で両国を繋いでいるのは五輪の旗をとり巻くリボンの「輪」であり、その左側、櫻の外周に国旗日の丸の赤、リボンの左端 、TOKYO 2020 刻印の裏側(見えない部分)に白の配色したことにして、その証拠に刻印の右下のリボン折り返し部分にわずかにその白の端を覗かせているのがわかります。リボン右端ではイペー・アマレーロの外側を緑、黄、青で彩った半円にしてブラジルを表しています。
なお、日本を表す櫻が山桜であることは花と共に若葉が描かれていることからわかります。日本の国の花(国花)は山桜です。ソメイヨシノではありません。
Nikon D3200 Nikkor 18-55mm(50mm) & Kenko close-up lens No.3 F:5.6 1/50sec ISO=800
造幣局は今回の東京2020オリンピック・パラリンピック記念貨幣として、銀貨は14種類(オリンピック10種類,パラリンピック4種類)を発行しました。そのうち最初に発行されたリオ-東京引継ぎをテーマとした2種類(枚)だけが表(おもて)面にカラー印刷が施されていました。以後に発行された12種類(各10万セット)の銀貨としてのスペックは先行の2種類と同じですが、おもて面はカラー印刷をせず、磨けばプラチナにも負けないとされる純銀のプルーフ(研磨鏡面)仕上げでした。それら12枚は各々陸上競技やレスリングあるいは車椅子テニスなど各種競技の選手像をデザインしたものです。写真はそのうちの1枚で、平成31年発行の「陸上競技」です。
Nikon D3200 Nikkor 18-55mm (40mm) & Kenko close-up lens No.3 F:8 1/60sec ISO=100
上記オリンピック記念千円銀貨「陸上競技」の裏面です。最初に発行された2枚のカラー・コイン以外の12種類の裏面は基本的には皆同じデザインでカラー印刷されています。左半分にオリンピックエンブレム、右半分に”東京都の花ソメイヨシノ”と、その上に”東京都の木イチョウ”の葉がデザインされています(パラリンピック銀貨では左右が逆)。なお、最初の2枚のカラー・コインの裏面には”東京都のシンボル”はなく、中央にエンブレムだけが置かれています。
「陸上競技」などの12枚には下の写真のように飾り付け用のスタンドが付いています。貨幣の直径が4センチですから全体でほぼ約8センチ角の小さな置物です。厚いアクリル板の左上、右下隅に見える丸い金属が強い磁石で、これによって銀貨をケースごと前後から挟むようになっています。価格(千円、ではなくて九千五百円)を忘れさせるほどのエレガントなたたずまいです。
「陸上競技」 Nikon D3200 Nikkor 18-55mm (55mm) F:8 1/60sec ISO=100 ストロボ発光
まとめ ~オリンピック記念硬貨の歴史~
今回の東京2020オリンピック・パラリンピックに際して我が国では一万円金貨3種類(計約12万枚)、純銀の千円銀貨14種類(計約130万枚),百円クラッド硬貨(白銅で銅をサンドイッチにした硬貨)20種類(計約8千万枚)、全部で37種類(総売上概算300億円)もの多彩な記念硬貨が発行されました。
今では記念硬貨はごくありふれた存在になっていますが、オリンピックを記念する硬貨が世界で何時始まり、どのように発展したのかを簡単に見てみましょう。
オリンピック開催を記念する貨幣(オリンピック記念硬貨)が世界で最初に発行されたのは第15回大会、1952年のヘルシンキオリンピックでした。第二次大戦後日本が始めて参加を許され、石井庄八選手がレスリングでニッポン唯一の金メダルを獲得した大会です。貨幣のデザインは単純で五輪が刻印されただけ、品位は銀50%の銀貨でした。現在でもネット中古市場で見かけます。それに続くオリンピック2回、メルボルンとローマでは記念貨幣発行の記録は見つかりません。
本格的にオリンピック記念貨幣が発行されるようになったのは第18回夏季大会、すなわち1964年の東京オリンピックからでした。各家に1枚を行き渡らせることを目標に千円銀貨(銀92.5%)1500万枚と百円銀貨(銀60%)8千万枚が発行されました。前者には造幣局デザインの山桜と富士山、後者には公募入選作の炎があがる聖火台がデザインされていました。千円銀貨は史上初、記念硬貨というものも日本では初めての試みだったこともあって、大人気となりました。国家としては1000億円以上の”売り上げ”になりました。この大会以後、オリンピック開催国では大会運営資金調達も兼ねてオリンピック記念硬貨の発行が定着しました。
冬季オリンピックの記念硬貨は1964年のインスブルック大会が最初です。我が国では1972年の札幌オリンピックで百円白銅貨、1998年長野オリンピックでは一万円金貨、五千円銀貨(銀92.5%)と五百円白銅貨各3種類が発行されました。それら貨幣のおもて面にはスキージャンプやスケートなど選手像が、裏面には長野を代表するリンドウ(一万円)、カモシカ(五千円)、ライチョウ(五百円)がデザインされていました。
世界で始めてカラー印刷した硬貨(カラー・コイン)がお目見えしたのは1992年のことです。発行したのは太平洋の島国、パラオ共和国で、海洋生物保護年記念と銘打って5ドル銀貨(銀90%)と1ドルの白銅貨を発行しました。カラー・コインは金属の台に薄い塗料の層を置くわけですから、いくら丈夫に作っても貨幣どうし擦れば傷つき剥げるので、普通の流通硬貨として使うことは出来ず、勢いコレクション専用ということになります。
そのようなカラー・コインを高価なオリンピック記念硬貨として始めて採用したのが2000年のシドニーオリンピックです。額面百オーストラリア・ドルのプルーフ金貨でした。少なくとも2種類発行されたようです。日本最初のカラー・コインは2003年、青森で開かれた第5回アジア冬季競技大会の記念としてリンゴを真っ赤に印刷した純銀製の千円銀貨が発行されました。この頃を境として、オリンピック記念硬貨にもカラー・コインを使うのが世界的に普通のこととなったようです。
私は若干の記念硬貨は持っていますがいわゆるコインのマニアでもコレクターでもありません。しかし今回、自国でのオリンピックはそう滅多にないことなので孫へのプレゼントを兼ねた記念品としてここに示した3枚をゲットしてありました。
東京2020オリンピック・パラリンピック大会は開催できるかどうかさえ危ぶまれましたが貨幣の刻印と異なり2021年で開催にこぎ着けました。「復興」五輪としてスタートした大会は、新型コロナのパンデミックに何とか耐えましたが、無観客(入場料900億円損失)という異例の状況下での開催となりました。天災と疫病、人類がこれからも立ち向かっていかなければならないこの二つの苦難を乗り越えるシンボルとしてこの2020の銀貨は長く輝き続けてほしいものです。