メインに使ってきた HP 社パソコンが、電源が勝手に落ちるなど1年前から不具合を繰り返すようになり、さらにこの機種は「TPM2.0 非対応」と私には分からない理由で Windows11 へのアップグレードは出来ないと通告されていることもあって、後継機が必要となりました。現用のこの HPマシンは2014年(平成26年)に Windows 8.1(その後10にアップデート)で導入した Intel Core i5 4440、メモリーRAM 8G の”床置き”デスクトップで、Cドライブが昨今のSSDと違って HDD(ハードディスク)なので、立ち上げに3分ほどかかるという不便を除けばネットや各種アプリの動作は一応不都合無くこなしてきました。
後継機を導入するにあたって私が考えた条件は三つ、現用の HPよりスペックが下回らない CPU Core i5、16Gメモリー、Cドライブ512G SSDという線でした。カスタムメイドのパソコンを売っているBTO(build to order)各社で条件に合うマシンを探し、機種も大体決めて、ネットで注文する段取りをしていたのですが、自分の判断が妥当かどうかをもう一度 ”世間を見て” 確かめようと、今のメインマシンを買った大手家電量販店 J のページを見たところ、第12世代 Core i3 12100、8G、256SSD の型落ち Mate が目に止まりました。Office付きで74,800円でした。私が考えていたスペックより一段下になりますが、今の HP のメインマシンの前とその前、私は Mate を2台(代)続けて同じ量販店 J で買ってメインに使っていた時期がありますので(1台目 Core2 duo は辛うじて今でも緊急時避難用として現役、2台目 Celeron は落雷ショックで退役)、Mate がいかなるものかについて私はそれなりに体験してきています。今回見付けた Core i3 Mate も、メーカーと販売店は時代に遅れず十分使えるスペックだと判断して出してきているのだと考え、これを買うことにしました。購入時点では Windows11 のDG(ダウングレード)版 Windows10 Pro マシンとして配達されてきました(写真)。OSが HomeではなくProなのは、メーカーがこの機種 Mate は個人向けではなくオフィス用と位置付けていることを示しています。オフィス用は時々しか一般個人向けの家電量販店の店頭には出てきません。今回 Mate に出会えたのは多分ラッキーだったのでしょう。(ついてきたキーボードが古い2台目 Mate のと寸分違わないものだったのには驚きました=写真の左下部分)
この Mate は重さ4.6キロと軽い上に台座がヤワで電源ボタンを押すとパソコンがずるずると後退します。別途滑り止め対策が必要でした。私の機種は型落ち商品なので価格的には「安物」(本当は安物ではない)ですが、25万円を越える NEC 現行の個人向けシリーズ Lavie の上位機種と筐体は同じらしいので立派なたたずまいをしています。白と濃紺、無駄のないデザインは気に入りました。部屋(事務所)を安っぽくしない。これも大事なことです。
セッティングは昔も同じプロ向けの仕様すら載っていないマニュアル、「はじめにお読み下さい」 の記述通りにやって、半日で・・・Microsoft(MS)アカウントの設定も含めて・・・Windows10が稼働しました。それから1週間目ぐらい経ったある日、一太郎の 辞書ATOK17のアップデートをやっている最中に突如 Windows のアップデートが割り込んできて1時間ほどで(驚いてあがっていたので時間はよく覚えていないが2時間はかからなかった)Windows11マシンが出来上がってしまいました。
Mate が来て HP メインマシンから今まで組み上げてきた設定を引き継ぐ作業をしていて、私のようなパソコン歴だけは長くても知識も”扱う腕前”も”並かそれ以下”の人間にとってはこのスペックで十分だということが分かってきました。因みに私はグラボは使い(え)ません。
私の購入した Mate が搭載している第12世代の CPU Core i3(12100)は飛躍的に進歩した i3 で、Core ひと桁世代(例えば2019年発売の Core i7(9700)と同等(3% Core i3が上回る)のパフォーマンスを持っています(Technical City)。因みに私の現用 HP メインマシンの Core i5 (4440)と比べたら196%(約3倍)も速いことが示されています(同前)。パソコンとの付き合いは一種の生理反応を伴っていて、アプリ(ソフト)のアイコンをクリックして「ヨッコラショ」と立ち上がっていたものが「パパッ」に変わったらもう「ヨッコラショ」には戻りたくなくなりますね。Core i3 12100 でそれが味わえるとは望外のことでした。
メモリーは仕事場で 4G 端末を使わされ、記憶容量不足で時々落ちるし、拡大鏡がまったく実用にならないことに閉口している私ですが、8Gあれば家庭での仕事には困らないことも今までのメインマシンで体験していますのでこれで我慢できます。Cドライブが 256SSD であることも動画などを貯め込まない限り必要最低限を満たしているようです。(ただ、データ用として内蔵または外付け HDDかSSD をバックアップ用共々2台用意する必要があります)
以上、パソコン・ハードして、この Mate は私にとっては十分だということが分かりました。以下には設定について感じたことを少し述べてみたいと思います。
MSアカウントの設定もさることながら、パソコンを乗り継ぐに際して、あってよかったと実感したのが Googleアカウントです。新マシンで最初にやるべき作業はウィルス対策ソフトの導入と Google Chrome のインストールです(註)。それを済ませたら何時の間にか HP社のマシンで設定してあった自分の Googleアカウントを新 Mate が全部引き継いでいました。お蔭ですぐ Amazon にログイン出来て早速無線の白いマウスを買いました(写真下部=事務所などでは付属している有線マウスのほうが床に転げ落ちなくてよいのかも知れない)。また、試しに Mate から内科学会にアクセスするとしっかり Googleアカウントが認識されていて自分のパーソナルページが開きました。
インストール済みで付いてきた OfficeのWord、Excel 2021は昔のそれらに比べてユーザーに優しくなった感じがします。Officeなしの同じ機種も売られていましたが、2万円高いOffice 付きを買ったのは間違いではなかったようです。このブログを Word で下書きしましたら Word が「てにおは」の誤りを指摘してくれました。(私は現用 HPマシンではキングソフトなどの Office同等ソフトを使い、本家 Office は久しぶりです)
日本語入力は私の場合、知る人ぞ知る NECパソコン、PC-9801VM2 の MS-DOS版以来の ATOK(約8,000語登録済み)ですが、Google日本語入力も優秀です(ATOKと変換キーの使い方が1カ所違うので私にはそれがネック)。私が教えたのか記憶にないのですが何時の間にかATOK辞書を取り込んでいて、それが新 Mate でも使えるようになっていました。デフォルトの MS IMEは使ったことがないので評価外ですが、今からワープロを始めるのならアプリ本体は Word、辞書は無料の Google日本語とするのが最善かも知れません。
その他の各種ソフトのインストールはこれからですが、Windows10では使えたのにWindows11ではインストールできないものが出てきました。25年前のパソコン用広辞苑第5版がただでは使えません。ドライバーの「こととい Light」が蹴られました。出版社の岩波書店のホームページを見ると、「サポート終了しました」となっていました。でも裏技はあります。Windows10のパソコンの Program Files(x86)にインストールしてあった「こととい Light」のフォルダーをまるごとUSBメモリーなどにコピーして Windows11マシンの Program Files (x86)へ埋め込み、フォルダーにある KOTOL.exeを実行すればOKです。ショートカットをデスクトップに作れば万全です。なお、同時期に発売された平凡社世界大百科事典(98)は問題なくインストールできました。
勿論私にとって パソコンの原点とも言える”ATOK(2017)と一太郎 2006”は無事使えています。
(註) Windows11のマシンに乗り継ぐとき、対ウィルスソフトのインストールが済んだら次はMicrosoft OneDrive の扱いを決めなければなりません。私はOneDriveを使わないと決めました。Windows11デフォルト設定では、OneDriveはPCのスイッチを入れれば自動で有効になるよう設定されています。それを次のようにして止めました。しかし、これでもまだ OneDrive は Office を使うなどすると途中から立ち上がってきますので、完璧ではありません。助けて下さい。
〈下段スタート→設定→アプリ→中央最下段スタートアップで出てくるOneDriveアプリの右側にあるオンオフスイッチをオフにします〉
閑話休題
HDMI でパソコンとモニターを繋ぐのは今回が初めての経験でした。HDMI は音声信号を含んでいます。新旧2台の PC で共用することになったモニター、EIZO EV2450Bにはステレオ・スピーカーが備わっています。これで聴く広辞苑(やYouTube動画)のウグイスの鳴き声は実際もかくやあらんというほどの美しさでさえずりました。しかしこのスピーカーでは人の声がまるで聴き取れませんし、音楽に至っては音程が再生できません。三千円もしない USBスピーカーでやっとステレオラジカセ並の音が聞けました。元オーディオマニアとしてもパソコン用SPはこれで必要十分です。
何故かまた Mate がやってきました。頼むよ君!
私が聴いているスピーカーです。最近、ある週刊誌に音楽録音スタジオの写真が載っていて、そこに(音質調整用の)モニターとして私のと同じスピーカーが置かれていました。それを見て嬉しくなり、このページを書こうと思い立ちました。また、折も折、雑誌「レコード藝術(レコ芸)」がこの6月で休刊すると発表されました。そのことにも後半で少し触れたいと思います。
このスピーカーは YAMAHA NS-10M PROです(高音用スピーカーが左右対称の2台がペアのこれは私が勝手に決めた左側用)。「テンモニター」または「テンモニ」という愛称がついています。幅、高さ、奥行きは、215x382x199mmで、6kgあります。オリジナルモデルは1978年に一般家庭向けに発売されました。その完成型であるこのタイプは 1987年に発売されたものです。私がこれを買った動機は、それまで(今も)使っているタンノイ・ランカスター・スピーカのエッジを張り替える必要が生じたので、音楽の”留守番”として音もさることながらルックスが気にいって買いました。さすがピアノを作る YAMAHA ならではの黒光りし高級感のある筐体に真っ白な18センチ・ウーハーが映えるこの姿は当時発行されていた音楽之友社「週刊FM(1971-91)」に毎号写真の広告が載っていて魅力的だったのです。書斎にはじめて置いた時から期待通りのかっこよさは今も変わりません。2001年、この白いコーン紙の材料に使う外材の針葉樹が手に入らなくなったとかで、惜しいことに生産が中止されました。
初めは一般用として世に出たこの小さなスピーカーは、当初オーディオ評論家からはあまり評価されませんでした。それが何時しかプロの目に止まり、一気にスタジオ用モニターとして世界を席巻しました。初代からだと何と生産台数が30万台(セット?)を越えたそうです。最初に述べたように、いまや音楽スタジオの写真には大抵このスピーカーが写っています。プロの耳はシビアです。”正しい音”を再生する実力がそうさせたのでしょう。
言うまでもなく音楽は音の芸術です。”音”は、その大きさ(S/N=ダイナミックレンジ)、音程(高さ=周波数レンジ)、音色(トーン)という三つの要素から成り立っています。ですから、ダイナミックレンジが大きく、周波数レンジはフラットで広くとれていて、音色(≒ ハーモニー)は正確に再現できるるのが良いスピーカーの条件です。しかしいずれの製品にも何がしかの限界があります。その結果出てくる音が製品の個性となります。テンモニターも例外ではありません。筐体が小さいため重低音が出にくく、逆に粒立ちが細かくしかもよく伸びた中高音がかときにかえって耳につくと感じるのかも知れません。そのせいでジャズ向きだと評されることもあるようですが、私が部屋で聴いている限り、クラシックを立派に鳴らしていると思います。パイプオルガンはさすがに苦しいですが、カーペンターズの歌声や、モーツアルトのヴァイオリン・ソナタなどはとても美しく鳴らしますし、オーケストラの大太鼓も何とか実在感がわかる程度には再生します。
テンモニターはプロの世界では「ニアフィリールド・モニター」と呼ばれるタイプで、スピーカーと試聴者の距離は2ー3メートルほどを想定しているようです。書斎で聴くのには丁度良いのです。
音楽之友社の雑誌「レコード藝術(レコ芸)」がこの6月で休刊すると伝えられました。アナログレコード、CDなどの音楽ソースについてだけでなく、オーディ機器についても貴重な情報を提供してくれていたクラシック音楽ファンにとってはかけがえのない雑誌でしたが、ネット社会になった今、雑誌のような紙媒体の情報源の必要性が下がったのかも知れませんし、一面、私たちが日常聴く音楽ジャンルの方が移ろって、”クラシック音楽の雑誌”というものへの要求度が減ってきたのかも知れません。つまり、最近では、音楽ソースをネット配信に頼る機会が多くなりましたので、当然その再生装置はデジタル機器となりスピーカーではなくヘッドホンで聴く機会が増えました。1単位?3分や5分のポップスなら聞き流すのにヘッドホンはよいのかも知れませんが、シンフォニー40分を聴き通すための道具としてヘッドフォンは適さないでしょう。ネット時代は脱クラシック、脱オーディオ、脱スピーカー、そして脱「レコ芸」の時代だとも言えそうです。「スマホ(smartphone)にサブスク(subscription)のアプリ(application)をインストール(install) して・・・」。これがこんにちの音楽鑑賞の第一歩のようです。このカタカナたらけの2行を理解できたらあなたは現代人、分からなかったら普通の人で、オーディオマニアかも知れません。
今だからこそ、然るべきオーディオ用アンプで YAMAHA NS-10M PRO を鳴らしてみましょう。ヘッドホンからは聴けなかった世界がきっと”眼前”に拡がります。全装置に要る費用は当面給与一ヶ月分もかければ余ります。なお、テンモニターの中古はネットで幾らも紹介されています。値段は新品時代と同じく1セット5万円ぐらいです。
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独り言(NHKFM 《ホルンのブラトコビッチ演奏会》をテンモニターで聴いて)
「・・・それにしても東京紀尾井ホールは響きが美しい・・・」
マツダ・ファミリア 2ドア・スタンダードの半精密ミニチュアモデルです(1/43:長さ約7センチ強)。
写真のモデルにあるバンパーガードがついていなかったという違いを除けば、これがまさしく私の初代のマイカーでした。このブログのタイトルは記念すべきそのナンバープレート番号です。
昭和39年、サラリーマンには高嶺の花だった普通乗用車の廉価版には空冷式2気筒エンジンのトヨタ・パブリカがありましたが、それに対抗する車としてパブリカとほぼ同価格ながら水冷式4気筒エンジンを積んでマツダが売り出したこのファミリア・セダンは傑作車だったというべきでしょう。
12年間乗りました。わが子たちはこの車を乳母車にして育ちました。室内の幅120センチと狭く、時代とは言えチャイルトシートは言うに及ばず、シートベルトさえついていませんでした。