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井上隆智ブログ

夕日を浴びて鳴く昔からのともだち、アブラゼミ



 2019/8/2  Nikon D50 Nikkor 55-300 (300) mm  ISO=400  F:5.6  1/500 sec.

  夏の夕方、私の部屋へはアブラゼミの鳴き声が飛び込んできます。部屋の前に彼らが好む櫻などの木があるからです。この写真は私の部屋から撮りました。写真全体がやや赤っぽいのは夕日に照らされているからです。姿勢を高くし、羽根をやや拡げて彼は今まさに懸命に青春の歌を歌っています。アブラゼミが成虫として過ごす期間は一ヶ月ほどとされています。写真の個体の翅脈が緑色をしていることからみて、この個体が羽化してまだ日が浅い(若い)ことを示しています。(羽化したてのセミの翅脈は緑色です。翅脈が茶色くなるのは羽化から日が経っているからだ、と私は子供の頃からそう思っていました)。何らかの方法で翅脈の色とセミの日齢の相関表を作ることができれば、立派な研究成果になると思いますよ。

  アブラゼミ(Graptopsaltria nigrofuscata)は日本から中国大陸北部にかけてのごく限られた地域にしかいません(Wikipedia)。セミの羽根は大抵は透明ですが、ニイニイゼミとアブラゼミは不透明な羽根を持つ少数派です。アブラゼミは山間部ではいちばん普通に見られるセミですが、都市部、特に関西の大都会ではクマゼミばかりが目(耳)につき、アブラゼミには滅多に出会えなくなりました。
  アブラゼミは脅かさなければ逃げないので簡単に素手で捕まえることができ、昔から田舎の子供たちのよい遊び相手でした。

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